放水災害 2008/12/08 (Mon)

吾輩は『ちょび』助である。

自称・飼い主に「甘えんぼう将軍」と呼ばれている『ちょび』助である。

それが癪なので、またしても自称・飼い主の頁に乱入するのである。

先程、吾輩は散歩に行ってきたのであるが、事件はその散歩に行く直前に起こった。

何時も通り、吾輩にリードを付けて階段を下りた自称・飼い主は、吾輩を玄関先で降ろした。

「さぁ！散歩行くぞ！散歩！！」

吾輩も既にお散歩モードに入っている。

今日は、ハイパー☆ミラクル☆よゐこ全開で、お散歩まで用を足すのを我慢していたので、吾輩は一刻も早く外に出たかった。

が、その瞬間である。

まさに、計ったようなタイミングで自称・飼い主が、玄関を開けようとしたら電話が鳴った。

ヤツは仕事場のドアを開けて、其処にある電話の子機を片手に何やら喋っている。

どうやら、仲間内で発行している新聞の件らしい･･･話が長くなりそうな気配（汗）。

年に三回程発行するが、自称・飼い主のアホが一人で原稿を集め、一人でチェックし、一人で文字数を数えて校正しているらしい。

が、何時も原稿が集まらないので穴が空いた分は、自分で書いて誤魔化している。

それが恒例化すると、今度は原稿を依頼しても「自分で書けばぁ～」などと言われて悪循環を来しているらしい。

そうか・・・昨日が締め切り、２週間おいた日曜日の講習会に先生の点検を受けるのか・・・

地道な作業などアバウトな自称・飼い主には最も不向きな作業である。

しかも、構成が終わって穴の空いた分だけそれから自分で原稿を書く・・・

ま～た・・・吾輩に八つ当たりする２週間が始まりそうだ・・・やれやれ・・・

無料奉仕、ボランティアと云う名の下僕状態である。

そんな暇があったら、ちゃんと仕事して吾輩にもっと美味しい物を食べさせろ！

自称・飼い主は、吾輩にだけ優秀な下僕であれば良い！自分の本来の職務を忘れるな！である！！

どうやら、電話の主は黙っていてもちゃんと原稿をくれる奇特な人らしい。

先生以外で原稿をくれるのはこの人だけ、しかし今回に限って昨日の締め切りに貰えなかったらしい。

どうやら、講習会場に持ってくるのを忘れた様子だ。

「２１日の日曜日に先生の点検を受けるので、それまでに郵送して下されば間に合いますよ。届くのを待って校正しますから」

などと、自称・飼い主が言っているが、相手は身体が不自由で郵便局にもなかなか行けないらしい。

講習会は一緒に参加する知人が送り迎えをしている。

「でしたら、原稿の量に合わせて頁を空けておきますが、どのくらいの量でしょう」

相手は滑舌が悪い・・・と云うか、白血病と何度もの脳出血による後遺症で、半身が麻痺し言語も不明瞭である。今でも頭には大きな血栓が出来ているらしい。

自称・飼い主は、相手の気分を害しない様に気遣いながら、何度も復唱するふりをして相手の言葉を確認している。

・･･嗚呼･･･長くなりそうだな、この電話・・・

で、吾輩は堪えきれずに自称・飼い主の仕事場でつい片足をあげてしまった。

しゃぁ～～～～

やってもうた・・・

が、自称・飼い主は、子機を片手に何事もなかったようにテッシュを取り出すと、受話器に話しかけながら床を拭き始めた。

しまった！と、思ったが叱られない。

ならば遠慮する必要もないのである。

別の場所で、大量に世界地図を描いてやったゾ！吾輩！！

うん。

我慢していた分だけ、一気に放出したら良い気分である。

自称・飼い主は今度はテッシュの箱を脇に抱えて何枚も何枚も床に敷き詰めて拭き出した。

何事も無かったように、顔色一つ、声の調子も全く変えることなく淡々と床を掃除している。

器用なやっちゃなぁ・・・このヲトコ・・・

何をやるに付けても不器用の代名詞のようなこのヲトコがｗ

ニンゲンと云うのは、何か一つは取り柄があるモノである。

このヲトコは、電話片手に何事もないように会話しながら床を拭くのが特技に違いない。

他には･･･何も見当たらないな・・・取り柄。

床を拭き終わった頃に、電話も切れた。

をわわわわっ・・・吾輩･･･叱られるかな？？

と、上目遣いに自称・飼い主を見上げたが、ヤツはそのまま吾輩を散歩に連れて行った。

帰ってきてから、もう一度床掃除をした自称・飼い主曰く。

「今日は仕方ないよな。絶妙のタイミングで電話がかかって来たもんな」

口元は微笑んでいるが、目は・・・全然、笑ってないゾ・・・オマイ・・・

だが、此処で怯んでは吾輩の負けである。

おお！そうだゾ！自称・飼い主！！

今日のお漏らしは、期待させておいて途中で他事にかまけていたオマイの責任である。

全部、オマイが悪い。

吾輩はなぁ～んにも悪くないゾ。

嗚呼。

何でもかんでも、人の所為にするのは気が楽で、精神衛生上非常に都合が良い♪

今日はオマイの落ち度だ、自称・飼い主。

漏らした吾輩には何の責任もない。

って、ちょぉぉぉ～～～っと待ったぁ！

すると自分に非がなかったら、吾輩を叱るつもりだったのか？自称・飼い主？？

何となく、このヲトコは常日頃から吾輩を叱る為に目を光らせているような気がしてきた。

油断も隙もあったモノではないな・・・このヲトコ・・・

自称・飼い主！性格悪すぎ！！