クリスマスの災難 2007/12/25 (Tue)

今日はクリスマスイヴらしい。

別に空×ジ・Ｏには関係ないが（爆）。

我が家の近辺は連休と云うこともあって、恐ろしいほどに閑散としている。

しかし、我が家の側の交差点にたっと、正面に最寄り駅が見えるが・・・其処に近付くほどに『かつぷる』とか『あべつく』の仲睦まじい群れが徒党を成している。

癪だから連休中はずっと引き籠もり。

と、云うか・・・連休直前にふと気が付いた。

年賀状を一枚も書いていない（汗）。

取り敢えず、適当にソフトからイラストなどを引っ張り出して印刷だけはしておく。

「印刷だけの年賀状など心が籠もっていないから、見る気もしない！」

と高らかに宣言している方々の分だけは、其処から抜き出して一言ずつ書き添えておく。

今日の夕方に、それをポストに入れ、そのままシネコンへ。

ついでに夕食を摂ろうとシネコンの一階にある食堂街の一件に入る。

女性の二人連れは視界に入るものの、後は一握りの家族連れと・・・店内を埋め尽くす世代を超えた『あべつく』の群れ。

空×ジ・Ｏの左隣には３０代半ばくらいの『あべつく』

男性が重苦しい滑舌の悪い声で一生懸命に女性に話しかけている。

滑舌が悪い割に、意外と響く大きな声だ。

嫌でも隣にいる空×ジ・Ｏの耳まで届く。

聞いている限りでは、知り合ってそれほど経ってはいない模様。

男性は必死に自分をアピールしているが・・・そのうち・・・。

「いやぁ。ボクは肌がデリケートだから直ぐに蕁麻疹が出来ちゃうんですよ」

などと言い出した。

「食べ物なんかが影響するんですか」

笑いながら女性が聞いているが。

「そうかも知れないけれど、何、食べても出るときは出ちゃうんです。ボクって繊細だから」

「痒かったり痛かったり？」

「痒いですよ・・・痛いですよ。もう何時も大変な思いをしてます」

痛かったら、それは帯状疱疹。ヘルペスぢゃない？

全身に回ったら大事だよ。下手な事したら、湿疹が治った後も神経痛が残るよ。

コイツの神経痛は神経繊維自体が遣られるから一生もの！

などと、隣で聞いている空×ジ・Ｏは心の中でツッコミを入れる。

大体、この男性、繊細だとかデリケートという割りには恐ろしく肌が汚い。

蕁麻疹の所為かも知れないが、とても繊細なキャラには見えない。

大体、声のデカイ奴に繊細な人間はいない。と云うのが空×ジ・Ｏの中では常識となっている。偏見だけどｗ

勿論、肌と神経は別物だが。

空×ジ・Ｏは良く人から、見目の細かい綺麗な肌をしている・・・けれど・・・神経はナイロンザイル並。と、言われたりする。

『ちょび』助ではないが、この手の言葉の意味は良く分からない。

隣の二人に料理が届いた、それでも会話は続いている。

「特に靴下のゴムの当たりは大変、湿疹のブツブツが潰れちゃって凄く汚いの。見た目に」

「それに、痒いのは起きている間は我慢出来ても、寝ているときは駄目。気が付いたら血が出るまで掻いちゃっている」

食事をしながら男性は喋りまくっている。女性は笑いながら、男性の言ったことを御丁寧に繰り返すばかり。

二度も聞きたくはない台詞である。女性の方も他に言うべき言葉がないのなら黙っていればよいものを（汗）。

空×ジ・Ｏは、幸か不幸か・・・そう云うの・・・想像力が欠如している割にリアルに想像出来てしまう・・・。

目の前には届いたばかりの料理が芳ばしい香りを漂わせながら湯気を出している。

・・・食べる気がしねぇ・・・。

隣の会話で減退した食欲を持て余し、機械的に口に運んでいると・・・

右隣にまたしても『あべつく』が腰掛けた。

此方はオッサンとオバサン。

と云っても、相当に年輪を経た二人連れ。

多分、塊の人たち第一期生。と、云った年代だろうか。

男性は年甲斐もなくラフな格好にちょび髭と顎髭、女性はケバイ服装に吃驚メイクの金色に髪を染めている。

還暦前後だろう・・・あんたたち・・・。

席に着くなり男性が、注文を取りに来たオネイサンに「私たちはこれから上の階で映画を観るんだが、オタクはそう言うお客さんに対するサービスはしていないのかね」などと、偉そうに言っている。

「申し訳ありません。当店ではそのようなサービスは行っておりません」

店員さんがそう言うと、男性はネチネチと経営方針がど～とかこ～とか言い始め、事細かにメニューの説明をさせ始めた。

女性の方は、そんな遣り取りをにゃぁ～と笑って眺めている。

単にこの二人・・・この手の遣り取りを楽しんでいるだけ？？

時間は午後六時、店としても忙しい時間帯だろうに・・・。

何気にこう云うオッサンやオバサンが居るから、サービス業に就きたがる人間が減る訳である。

左隣では、相も変わらず蕁麻疹が潰れた話を続けている、右隣は自分一人が客みたいなつもりでオッサンがエバっている。

・・・間に挟まれた空×ジ・Ｏは・・・何食べても気分的に上手くない・・・

確かに、両隣とも人に迷惑をかけようと思っている訳ではないだろう・・・オッサンだって、店側に対して色々言っているのであって、他のお客さんに迷惑をかける気などは更々ないのだろう。

間接的にはかけているが、その後に入店した若い家族連れは未だに注文を取りに来て貰えない。

とっとと、店を出てロビーで時間を潰すことにする。

で、上映前にトイレに入った。

よく目立つ格好をした、若い男性が鏡の前で入念に髪型のチェックをしている。

チケットを買うときに見かけた、男性二人、女性二人のグループの一人だ。

トゲトゲの突っ立った髪にチャラチャラの突いた洋服、女性はこの寒さに挑むように肌を露出していた。格好からして奇抜だったので良く覚えていた。

便器の前にたっと、隣にいたのはグループのもう一人の男の子。

激しく悪態を付きながら、便器前の棚になった所に置いた荷物を気にしている。

その内・・・「ヲイ！てめーこの野郎！！」と怒鳴りだした。

気弱で小心な空×ジ・Ｏは自分に何か言い掛かりでも付けられたのかと身を固くしたが、相手は相棒の男性だった。

「お前！また荷物置き場に思いっきり唾吐いただろう！

気付かずに荷物置いちまったぢゃねぇか！」

プププ♪

内輪で何を遣っているのやら。

これはちょっぴりザマアミロ。と、言った気分。

映画を観終わって、家路を辿るときも車は大渋滞、街は時間的に家族連れが姿を消して『あべつく』の雨あられ。

流れと気分で誰も待っていない家に帰る途中でクリスマスケーキとフェルトソックスのお菓子の詰め合わせを買って帰る。

犬たちと一緒に食べるのだから・・・それも虚しいが・・・一番安いケーキ（それでも、普段に比べると何気に高すぎないか？）を買って帰ったが・・・。

『ちょび』助と『まこ』オバサンの空になった餌箱をテーブルの上に置いて、ケーキを切り分けたとき、ふと思った。

このケーキはチョコレートケーキ？もしかして？？

犬にチョコレートって厳禁ぢゃなかったっけ？

結局、クリーム部分を少しだけ与えて、後は全部自分で食べた。

・・・食べ終わった時には時計の針は１０時半を回っている・・・こんな時間にクリスマスケーキを一人で平らげれば・・・そりゃ、太る訳である。

とうの昔に反故になったが『ちょび』助のダイエット計画などより、自分の体重を気にした方が良さそうだ。

お菓子の詰め合わせは、ポップコーンにビスケット、スナック菓子が二袋、ボーロの内容だった・・・。

犬たちに買ってきたのに、犬たちの食べるものが入っていない！

ビスケットも固かった所為か、あまり嬉しそうには食べない。

『ちょび』助に至っては、ビスケットもボーロも口に入れた途端に「ぺっ！」と吐き出しやがった。

取り敢えず、折角のクリスマスだから、フェルトの長靴を『ちょび』助に被せて記念撮影。

携帯を構えたら部屋の隅に逃げ出して、此方を凄い形相で睨んでいたが・・・。

我が家のクリスマスで最大の被害者は「お前に買ってきたぞ！」と言われたケーキやお菓子を全然食べられず、嫌々長靴を頭に乗せられて逃げ惑い、追い詰められた挙げ句に記念写真を撮られた『ちょび』助かも知れない。